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Step1 | ヒビを埋める
※漆によりかぶれが生じる場合がありますので、作業中は手袋を着用してください。
※漆の取り扱いによる健康被害が発生した場合でも、当社は一切の責任を負いません。
陶器のヒビは生漆を流し込んで修復します。
まず、ヒビの上に生漆を等間隔に一滴ずつ垂らします。
※薄釉の器はマスキングテープで保護するか、Advanced編と同様に黒呂色漆で埋めてください。
ヒビが深い部分は生漆が染み込みやすいので、その部分に生漆を重ねて垂らしていきます。 生漆を陶器の片面のみに垂らし、様子を見てください。 そうするとヒビに漆がどこまで浸透しているかが分かります。
ヒビの反対側も茶色くなっていれば、生漆がしっかりとヒビに浸透していると考えられます。
反対側が茶色くなっていない場合は、再度生漆を染み込ませてください。
生漆を15分間放置し、それ以上浸み込んで行かない場合は、アルコールで生漆を拭き取ります。
これでヒビを埋めるは完了です。
生漆が固まるまで1週間ほど待ちます。
湿度70%程度、温度25℃程度の場所に保管してください。
漆がついた道具はエタノールを含ませたティッシュで拭き取ってください。
筆以外の道具はエタノールで拭き取れます。
使用後の筆は菜種油などの植物油で洗ってください。
アクリル板に出したオイルに筆を浸し、ティッシュで拭き取ります。
ティッシュに色がほとんどつかなくなるまで、この行程を繰り返します。
最後にキャップをして、筆に油が少し残った状態で保管してください。
最後に、アクリル板に残った油分をエタノールで完全に拭き取ります。
アクリル板に油が少しでも残っていると、次回の漆の硬化を妨げる可能性があります。
Step2 | 錆漆で埋める
STEP2に進む前に陶器に水を注ぎ、漏れがないか確認してください。
水漏れがある場合は再度STEP1を行い、水が漏れた箇所に生漆を流し込んでください
ヒビが埋まったらカッターを使って溝を作ります。
漆はガラスなどツルツルした素材にはうまく付着しません。 そのため、釉薬のしっかりした陶器の場合、このまま漆を塗ると漆が剥がれやすくなる可能性があります。
溝を作ることで、漆を剥がれにくくすることができます。
溝を作るときは溝を深くするのではなく、幅を広くするように意識してください。
溝ができたら、継ぎ目を「錆漆」で埋めていきます。
まず、砥粉をアクリル板の上に取り、そこに水を加えて混ぜます。
それから生漆を加えてヘラでこねます。
錆漆はすぐに乾燥するので、できるだけ小さくまとめ、上にヘラを被せてなるべく空気に触れないようにしてください。
継ぎ目の溝に錆漆を塗ります。
※釉薬の薄い陶器は、汚れを防ぐためにマスキングテープをご使用ください。
この行程の目的は継ぎ目を平らにすることです。溝が残らないように錆漆を塗ってください。
写真の器には小さな欠けがあったので、それも一緒に埋めました。
錆漆が固まるまで数日待ちます。
錆漆はあまり湿気を必要とせずに硬化しますが、乾燥した場所では十分に硬化しない場合があります。
念の為、湿度70%程度、温度25℃程度の場所に保管してください。
Step3 | 下塗り
錆漆が固まったら、はみ出した部分をカッターで削り取り、継ぎ目を平らに整えます。
欠けた面が大きくカッターで平らにするのが難しい場合は、サンドペーパーを使用してできるだけ表面を平らにします。
器の表面の汚れはエタノールを含ませたティッシュなどで、適宜拭き取ってください。
継ぎ目が平らになったら、「弁柄漆」を塗ります。
筆は使用前に筆先をエタノールでよく拭いてください。
外側部分を先に塗ると、内側を塗る際に手が触れてしまう可能性があるため、まず内側部分から塗ることをおすすめします。
この工程は単に継ぎ目を塗るのではなく、継ぎ目の細かい凹凸に弁柄漆を流し込んで埋め、表面をさらに平らにするのが目的です。
「漆を塗る」というよりも「漆で隙間を埋める」というイメージで作業してください。
このくらい表面が滑らかになるように塗ります。
弁柄漆を塗り終えたら、器を湿度の高い場所に保管して数日間待ちます。
漆は重力により垂れることがあるので、垂れても問題ない向きで保管してください。 また、温度や湿度が低すぎると固まらないので、温度25℃、湿度70%程度を保ってください。
逆に湿度が80%以上と高すぎると、漆が固まる際にシワが発生してしまうので良くありません。
Step4 | 中塗り
下塗りの弁柄漆が乾いたら、柔らかい研磨シートを使って継ぎ目を磨きます。
研磨シートは柔らかく粒子が細かいので、直接磨いても釉薬を傷つけません。
ただし金彩や絵付けは剥がれる可能性がありますので、事前にマスキングテープなどで保護してください。
継ぎ目が十分に平らで滑らかになり、指で触れても凹凸が感じられなくなったらエタノールで拭きます。
磨いてみると、弁柄漆を塗った面に溝やシワが残っていることがよくあります。
その場合、STEP4と同様の手順で再度弁柄漆を塗ってください。
筆を使う前には、筆先をエタノールでよく拭いてください。
弁柄漆を塗り終わったら、湿度が高く暖かい場所に数日間保管してください。
Step5 | 仕上げ
中塗りの弁柄漆が乾いたら、やわらかい研磨シートを使って継ぎ目を磨きます。
やわらかい研磨シートは粒子が細かいので、直接磨いても釉薬を傷つけません。
継ぎ目を指で触れても凹凸が感じられないほど平らになったら、エタノールで全体を拭きます。
継ぎ目が整ったら、金粉を塗る準備をします。
まず、継ぎ目に弁柄漆を「薄く」塗ります。
あまり厚く塗りすぎると金粉が弁柄漆に沈んでしまいますので、注意してください。
弁柄漆を塗った後、金粉を蒔きます。
まずは綿に金粉をたっぷりとつけ、継ぎ目の上で小さな円を描くように動かします。
全面に金粉を蒔き終えたら、綿にさらに金粉をのせ継ぎ目の周りにもくるくると動かして隙間なく蒔いていきます。こうすることで光沢が増します。
金粉を蒔き終えたら、器を湿度の保たれた場所に保管して、数日間待ちます。
温度や湿度が低すぎると、漆が固まりませんので温度25℃、湿度70%程度を保ってください。 逆に湿度が80%以上と高すぎると漆が固まる際にシワが発生してしまうので良くありません。
漆室で1~2週間置くと弁柄漆が固まり、継ぎ目に金粉が定着します。
表面をウェットティッシュで拭き取れば完了です。
このときエタノールではなく水で拭きます。
エタノールで拭くと金粉も落ちてしまう場合があります。
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