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Step1 | 欠け部分の埋め
欠けの金継ぎでは2種類のをパテを使用します。
一つは錆漆というもので、2mm以下の小さ欠けやひび割れを埋めるために使用されます。
もう一つは刻苧漆というもので、深さ2mm以上の欠けを埋めるために使用されます。
今回は欠けた部分を「刻苧漆」で埋めていきます。
まずアクリル板の上で、薄力粉と水をパン生地のような状態になるまでこねます。水っぽい場合はもう一度作り直してください。
それから加えて生漆を加えヘラでよく練ります。
表面が滑らかになって伸びてきたら、木粉を加えよく捏ねます。 材料がよく混ざったら「刻苧漆」の完成です。
刻苧漆の準備ができたら、欠け部分にのせます。
釉薬が薄い陶器は汚れを防ぐために、欠け部分周辺にマスキングテープを貼っておきましょう。
刻苧漆をある程度乗せたら、指で器の形に整えていきます。
この段階では器の形に完全に合わせる必要はありませんが、刻苧漆が厚すぎると固まりにくくなるため、なるべく器の厚さに合わせるようにしてください。
刻苧漆があまり厚すぎると中心部が固まらない場合があるため、大体2mm程度になるようにしましょう。
もしも欠け部分が、2 mmより厚かったり深かったりする場合は、この手順を数回繰り返します。
刻苧漆が完全に固まるまで約一週間ほど待ちます。
刻苧漆はあまり湿気を必要とせず硬化しますが、乾燥した場所では十分に硬化しない場合があります。
安全のため、湿度70%程度、温度25℃程度の場所に器を保管してください。
漆がついた道具はエタノールを含ませたティッシュで拭き取ってください。
筆以外の道具はエタノールで拭き取れます。
ステップ2 |錆漆で埋める
刻苧漆がしっかり固まったら、カッターで削り落とします。
薄い汚れはエタノールで拭き取ってください。
できるだけ元の器の形状に近づけるように削ります。
足りない部分は次の行程で埋めていきますので、まずは余分な部分を削って形を整えていきましょう。
余分な刻苧漆を削り、残りの部分を「錆漆」で埋めていきます。
まず、砥粉をアクリル板の上に取り、そこに水を加えて混ぜます。
それから生漆を加えてヘラでこねます。
錆漆はすぐに乾燥するので、できるだけ小さくまとめ、上にヘラを被せてなるべく空気に触れないようにしてください。
錆漆が出来上がったら、欠け部分に薄く塗ります。
凹みや削りすぎた部分がある場合は、この行程で埋めていきます。
表面が凹みなく平らになったら錆漆塗りは完了です。
しっかり固まるまで数日待ちます。
Step3 | 下塗り
錆漆が固まったら、はみ出した部分をカッターで削り取り、継ぎ目を平らに整えます。
表面が大きくカッターで滑らかにするのが難しい場合は、サンドペーパーを使用してできるだけ表面を滑らかにします。
器の表面の汚れはエタノールを含ませたティッシュなどで、適宜拭き取ってください。
欠け部分の形が整ったら、次は弁柄漆を塗ります。
筆は使用前に、先端部分をエタノールでよく拭いてください。
外側を先に塗ると、内側を塗る際に手が触れてしまう可能性があるため、内側から少しずつ塗っていくことをおすすめします。
「漆を塗る」というよりも「漆で隙間を埋める」というイメージで作業してください。
写真のように表面が滑らかになるように塗ります。
弁柄漆を塗り終えたら、湿度の高い部屋に保管して数日間待ちます。
温度や湿度が低すぎると漆が固まりませんので、温度25℃、湿度70%程度を保ってください。
逆に湿度が80%以上と高すぎると、漆が固まる際にシワが発生してしまうので良くありません。
使用後の筆は菜種油などの植物油で洗ってください。
アクリル板に出したオイルに筆を浸し、ティッシュで拭き取ります。
ティッシュに色がほとんどつかなくなるまで、この行程を繰り返します。
最後にキャップをして、筆に油が少し残った状態で保管してください。
最後に、アクリル板に残った油分をエタノールで完全に拭き取ります。
アクリル板に油が少しでも残っていると、次回の漆の硬化を妨げる可能性があります。
Step4 | 中塗り
下塗りの弁柄漆が乾いたら、柔らかい研磨シートを使って継ぎ目を磨きます。
やわらかい研磨シートは粒子が細かいので、直接磨いても釉薬を傷つけません。
ただし、金彩や絵付けは剥がれる可能性がありますので、事前にマスキングテープなどで保護してください。
継ぎ目が十分に平らになり指で触れても凹凸が感じられなくなったら、エタノールで拭きます。
磨いてみると、弁柄漆を塗った面に溝やシワが残っていることがよくあります。
その場合は、STEP手順4と同様の手順で下塗りしてください。
筆はご使用前に先端部部分をエタノールでよく拭いてください。
塗り終わったら、湿度が高く暖かい場所に数日間保管してください。
Step5 | 仕上げ
中塗りの弁柄漆が乾いたら、研磨シートを使って継ぎ目を磨きます。
継ぎ目を指で触れても凹凸が感じられないほど平らになったら、エタノールで全体を拭きます。
欠け部分を整えたら、金粉を蒔く準備をします。
まず、継ぎ目に弁柄漆を「薄く」塗ります。 厚く塗りすぎると金粉が弁柄漆に沈んでしまいますので、注意してください。
弁柄漆を塗った後は、金粉を蒔きます。
綿に金粉をたっぷりとつけ、継ぎ目の上で小さな円を描くように動かします。
全面に金粉を塗り終えたら綿にさらに金粉を含ませ、継ぎ目の周りでも綿を動かして隙間なく金粉を蒔いていきます。
こうすることで光沢が増します。
金粉を蒔き終えたら、器を湿度の保たれた場所に保管して、数日間待ちます。
温度や湿度が低すぎると、漆が固まりませんので温度25℃、湿度70%程度を保ってください。 逆に湿度が80%以上と高すぎると漆が固まる際にシワが発生してしまうので良くありません。
漆室で1~2週間置くと弁柄漆が固まり、継ぎ目に金粉が定着します。
表面をウェットティッシュで拭き取れば完了です。
このときエタノールではなく水で拭きます。
エタノールで拭くと金粉も落ちてしまう場合があります。
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