こんにちは、ちまはがです。
今回は巷に溢れている「金継ぎキット」の選び方について考えていきたいと思います。
ちなみに、私の金継ぎ生活も、実は東急ハンズの金継ぎキットから始まりました。
当時は、友人に作ってもらった器が割れてしまい、Googleで「金継ぎ 方法」などと検索して色々と情報をかき集めていた記憶があります。
どうやら金継ぎキットなるものがある、ということは調べている中で分かったのですが、あまりに数が多く、
「金継ぎキット、結局どれ選んだら良いの…」
という状況に陥りました。
そして思考停止に陥り、なんとなく信頼できそうという理由で東急ハンズの金継ぎセットを手に取った…というのが、私の金継ぎことはじめです。
私の場合は今もこうして細々と金継ぎを続けられているので、結果的に思考停止で良かったのかもしれませんが、それはそれ。
依然として、この「金継ぎキット多すぎる問題」はいまだに金継ぎビギナーを苦しめているのではなかろうかと思うわけです。
そこで、そんな金継ぎビギナーの方々に向けて、「金継ぎキットの選び方」について解説すべく、今回このような記事を書いています。
少し長くなりますが、この記事が、私のように思考停止に陥ってしまう金継ぎビギナーの方のお役に立てれば幸いです。
ちなみに、紹介料などは一切もらっていないので、ただただ私の独断と偏見によるチョイスになりますが、ぜひキット選びの参考にしていただければと思います。
現在購入可能な金継ぎセット
私がざっと検索したところ、金継ぎセットはこれだけありました。
※2022年1月時点
- 金継ぎセット「ことはじめ」(全2種類)
- 藤井漆工芸 金継ぎ「美」セット
- 金継ぎコフレ
- urujyuの金継セット(全2種類)
- つぐキット(全5種類)
- かぶれにくい金継ぎ-金繕いセット A0349-A
- 初心者のための簡単 金継ぎ スターターセット
- 播与漆行 金継ぎ初心者セット
- 金継ぎラウンジ 簡単金継ぎキット(全3種類)
- てならい堂 金継ぎキット
- 「巡-金継ぎ時代-」金継ぎスターターキット
- 大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ
- はじめての金継ぎBOOK
多すぎますね。
多すぎますが、ここで挫けずに一緒に1つずつ見ていきましょう!
「金継ぎ」にも色々ある?
と、その前に、まずは金継ぎについて少しだけ勉強しておきましょう。
たくさん金継ぎキットがあっても、中身が一緒であれば安いものを買えばすみますが、現在販売されている金継ぎキットはどれも内容物が少しずつ異なっており、だからこそ初めての方はどれを選ぶべきか…と迷われるんじゃないかと思います。
では、なぜセット内容がこうも多種多様なのか。その要因の一つに「金継ぎの手順には多くの種類がある」ということが挙げられます。
細かな違いは色々ありますが、かなりざっくり分けると以下の2つに分けられます。
- 伝統的な金継ぎ
- 簡易的な金継ぎ
つまり金継ぎセットも、これら2つのどちらかに属することになります。
さらにいえば、どちらの金継ぎもそれぞれ細かな手法の違いがあるので、金継ぎキットもこれほど多種多様になっています。
ということで、金継ぎセットを選ぶ際は、まずどちらの手法に基づいたセットなのかを見極める必要があります。
一旦、それぞれ何が違うのか簡単に説明しますね。
伝統的な金継ぎ
読んで字の如く、伝統的な手法を用いた金継ぎです。
じゃあどんな手法なのかという話ですが、基本的に全ての工程を「漆」と「純金」を中心に進めていくという手法です。
例えば、割れた器を接着するのも、接着剤ではなく、小麦粉に漆を混ぜたものを使って接着します。
継ぎ目をコーティングするにも、漆使って塗り込んでいきます。
簡易的な金継ぎ
こちらは、先ほどの伝統的な金継ぎの手法のうち、どこかしらが簡便化されたものです。
例えば…
- 本物の金粉ではなく、非金属の粉や真鍮粉など金色に見える粉で代用する
- 接着に「漆」ではなく、市販の接着剤を用いる
- 「合成漆」などの塗料を、漆の代わりに使用する(※うるしという名前こそついていますが、漆の成分は一切含まれていません)
などなど、こちらは様々なパターンがありますが、費用を安く抑えたり、手順を簡単に済ますことができたりといったメリットもあります。
例えば、純金を使えば1gで1万円ほどしますが、金粉っぽく見える粉で代用すれば安く仕上がりますし、接着剤を使えば漆で接着するより1週間以上も時短することができます。
デメリットとしては、使用する接着剤が、健康安全性の面から食器に不適切な場合がある、または、耐久性に欠けるものが多い、ということです。
※使用する接着剤の説明書に、「食器には使用しないでください」などと記載されていることが多いですが、記載のないものもあるので要注意です。
その点、漆であれば食器などでも問題なく、堅牢な金継ぎをすることができます。
(余談)どちらの手法を選ぶべきか
正直、この辺りは議論になりやすいところです。
私個人としては、両者の違いを理解した上であれば、好きな方を選んでいただければ良いと思っています。
問題は、十分な説明機会を得ることができないまま、「簡易金継ぎ」のことを「伝統的な金継ぎ」と誤解してしまうケースがあるということです。
最近は特に、海外でも誤った情報が広まりつつあります。
専門的な内容になるので、初心者の方と金継ぎ師とでは、情報の非対称性が発生してしまうのは仕方のないこととは思いますが、その溝を埋める努力は、専門知識を持っている側が果たすべき責務と考えています。(この記事もそんな思いでつらつら書き綴っています…)
とはいえ、簡易金継ぎも安価かつ簡単ということもあり、金継ぎに触れる入門的な立ち位置としては最適ですし、うまく両者が共存できるようになるといいなと思いますけどね。
金継ぎセットをそれぞれ比較してみる
お待たせしました、ようやく本題ですね。
先ほど紹介した金継ぎセットの内容の違いを表にまとめてみました。
価格 | 手法 | 金粉 | 接着 | |
金継ぎセット「ことはじめ」 (平磨き法) | ¥9,600 | 伝統 | 純金(極平) × 0.2g | 漆 |
金継ぎセット「ことはじめ」 (消仕上げ法) | ¥8,400 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g | 漆 |
金継ぎ「美」セット | ¥6,534 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.2g | 漆 |
金継ぎコフレ | ¥13,750 | 伝統 | 純金(丸粉) × 0.2g | 漆 |
①urujyuの金継セット (Standard) | ¥13,750 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g 純銀(消粉) × 1g | 漆 |
②urujyuの金継セット (Advance) | ¥18,600 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g 純銀(消粉) × 1g 純銀(丸粉) × 1g | 漆 |
①つぐキット金 | ¥9,980 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g | 漆 |
②つぐキット金銀 | ¥10,780 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g 純銀(消粉) × 0.2g | 漆 |
③プレミアムつぐキット | ¥15,980 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.3g 純銀(消粉) × 0.5g | 漆 |
④プラチナつぐキット | ¥19,980 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.3g プラチナ(消粉) × 0.3g | 漆 |
⑤金増量つぐキット | ¥19,210 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.5g | 漆 |
播与漆行 金継ぎ初心者セット | ¥8,360 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g | 漆 |
てならい堂 金継ぎキット | ¥19,800 | 伝統 | 純金(消粉) × 0.1g | 漆 |
かぶれにくい金継ぎ 金繕いセット A0349-A | ¥9,780 | 簡易 | マイカ粉 × 10g アルミ粉 × 10g | 漆 |
初心者のための簡単金継ぎ スターターセット | ¥5,980 | 簡易 | 真鍮粉 × 5g アルミ粉 × 5g | 合成漆 |
①金継ぎラウンジ 簡単金継ぎキット (スターターキット) | ¥5,500 | 簡易 | 真鍮粉 | 接着剤 |
②金継ぎラウンジ 簡単金継ぎキット (スタンダード) | ¥8,580 | 簡易 | 真鍮粉 アルミ粉 | 接着剤 |
「巡-金継ぎ時代-」 金継ぎスターターキット | ¥22,000 | 簡易 | 金メッキ粉 × 1g 純金(消粉) × 1g | 漆 |
大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ | ¥4,180 | 簡易 | 真鍮粉 アルミ粉 | 接着剤 |
はじめての金継ぎBOOK | ¥4,290 | 簡易 | 不明 | 接着剤 |
こうしてみると、伝統と簡易が半々くらいでしょうか。
さらによく見ると、純金でも「消粉」や「丸粉」「極平」、本物の金粉以外だと「マイカ粉」や「真鍮粉」などと、また新しい単語が出てきました。
実は、純金の金粉でも、その粉末の荒さで種類が分かれています。
ざっくり解説すると
- 「丸粉」「平極」→少し粒度が大きく、仕上げに磨く必要がある
- 「消粉」→非常に細かな粉末で、仕上げに磨く必要なし
なので、純金の金粉を使う「伝統」の初心者用のキットでは作業が比較的簡単な「消粉」が多く採用されています。
一方で「簡易金継ぎ」の方は、「マイカ粉」や「真鍮粉」が純金の代用粉として用いられます。
千円以下で10gは買えるので、金粉とは比べ物にならないくらい安価ですが、仕上がりはやはり嘘っぽくなってしまいます。
真鍮粉は経年で錆びてしまうので、その点も注意が必要です。(安全性に問題はありません)
金粉の種類については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ちまはが的オススメ金継ぎセット
それぞれの金継ぎセットを詳しく見ていく前に、個人的にオススメできる金継ぎセットを先に紹介しておきたいと思います。
まず、金継ぎセットを選ぶ上で重視すべきは、次の3点にあると考えています。
- 必要な道具が漏れなく揃っているか
- 自分で買い揃えるより安く済むか
- 手順書は充実しているか
通常、金粉は0.1g単位などではあまり販売されておらず、1g単位での販売がほとんどなので、自分で購入するとそれだけで1万円以上の出費になって大変です。
また、手順などの情報を得やすいかどうかも重要です。
多くのキットには手順書が同梱されていますが、金継ぎの手順はそれだけで本が一冊書けるほどなので、簡単なパンフレット程度の説明ではどうしても情報が不足してしまいます。
そのため、解説動画があるか、初心者用の金継ぎ本が参考にできるかどうかも、初心者にとっては重要なポイントかなと思います。
以上の観点から「ちまはが的オススメ金継ぎセット」を選んでみました!
つぐキット金(¥9,980)
個人的なイチオシはこちらの「つぐキット金」です。
先ほどの3つの観点から見ても
- 必要な道具が網羅されているのでこれ1つで完結できる
- 価格も1万円以下でお手頃
- 動画での解説もある
といったように、初心者へとても親切な内容になっています。
また、使っている材料などもスタンダードなものばかりなので、市販の金継ぎ本を参考書にしながら作業することも可能です。(弁柄漆などを自分で練るのは少しトリッキーですが…)
小麦粉やサラダ油など、少しだけ自分で用意するものがありますが、一般家庭にあるものばかりなので問題ないかと思います。
ちなみにこのキットであれば、以下の本を片手に作業することができます。
伝統的な金継ぎに挑戦したいという方であれば、「つぐキット金」を購入して困ることはないんじゃないかなと思います。
ちなみに、つぐキットは他にも4種類ありますが、銀粉やプラチナ粉が追加されていたり、金粉が増量されているだけで、価格も足元を見られているので、「つぐキット金」を使って足りなければ、後で自分で買い足した方が良いと思います。
他のキットたち
ここからは、簡単にそれぞれのキットについて見ていきましょう。
オススメしてないからと言って、微妙なキットばかりではないので、自分にあった物を選んでいただければと思います。
金継ぎセット「ことはじめ」(¥8,400)
こちらは漆屋さんの「箕輪漆行」が作った金継ぎキットです。
2種類ありますが、仕上げに使う金粉が「消粉」か「平極」の違いです。
「消粉」は磨かずとも光沢が出ますが、「平極」は磨かないと光沢が出ません。
光沢感は「平極」の方が強いです。
他の内容物に関しては「つぐキット」と大差ありませんが、注意点が2つあります。
- 大きな欠けなどを埋める修理には不向き
- 作業台がない
本来であれば大きな欠けを埋めるのに「木粉」などといった材料が必要になってくるのですが、このセットには含まれていません。
そのため、大きな欠けなどを直したい場合は他のセットを選ぶのが無難かと思います。(できなくはないですけどね)
また、ガラス板のような作業用パレットがないので、別途購入しておくと良いかと思います。
Youtubeに動画の解説もありますが、解像度が低いのでやや見づらいかな…という印象でした。
藤井漆工芸 金継ぎ「美」セット(¥6,534)
こちらのセットは東急ハンズでも販売していて、伝統的な手法を使う物の中では最も安いセットですね。
ただ、こちらは注意点が3つあります。
- 大きな欠けなどを埋める修理には不向き
- 作業台がない
- 手順解説が手薄
とはいえ、このセット内容で6千円台はなかなかコスパがよいので、とにかく安く伝統の金継ぎに触れたいという方は一考の余地ありです。
手順は薄いリーフレットだけなので、別途本を買うか、「つぐキット」の動画を参考にしながら進める形になるかと思います。
金継ぎコフレ(¥13,750)
こちらのセットは「純金(丸粉)」で仕上げる唯一の金継ぎセットです。(値段も少しだけ高めです)
多くの場合、「消粉」が使われるという話をしましたが、「丸粉」を使うと磨きの工程が発生する代わりに、消粉とは違った光沢のある仕上がりを得ることができます。
やや難易度が上がるので、個人的には初めての方には両手放しでオススメはしづらいのですが、それでも丸粉仕上げに挑戦してみたいという方には良いかもしれません。
手順の解説動画も用意されています。
urujyuの金継キット(¥13,750)
こちらは動画解説などもあり、「つぐキット」とかなり似通ったセットとなっています。
漆の内容量など細かい違いを除けば、大きく3つほど相違点があります。
- 価格が4千円ほど高い
- 材料として「小麦粉」「菜種油」「銀粉」が付属している
- 道具として「あしらい毛棒」「砥草」が付属している
より、本格的で充実した内容になっている印象ですね。
例えば、「砥草」は継ぎ目を磨く際に昔から使われてきた道具です。(紙やすりで代用可能です)
ただ、弁柄漆などは自分で顔料と一緒に練って作らなきゃいけない点は「つぐキット」同様トリッキーな部分です。
より拘りたいという方にはオススメですが、費用対効果を見ると「つぐキット」に軍配があがるかな、といったところです。
なお、Advanceの方は「銀粉(丸粉)」が追加された、丸粉仕上げも体験可能になったセットのようです。
ただ、価格が¥17,600となっており少し割高感があるので、必要になったら自分で購入するのでも良いかもしれません。
播与漆行 金継ぎ初心者セット(¥8,360)
こちらは東急ハンズにも展開されており、私が思考停止して購入したキットです。
セット内容も充実しており、良さそうに見えるのですが、こちらもいくつか注意点があります。
- 筆が付属していない
- 「生漆」ではなく「透漆」を使用している
- 解説が手薄
まず一つ目ですが、このセットには筆が付属していません。
というのも、このセットではマニキュアボトルに漆が入っており、マニキュアを塗る感覚で漆を塗っていくからです。
当然、筆のように細かいコントロールはできないのでかなり大胆な仕上がりになってしまいます。
(以前、このキットを使って金継ぎされた方から再金継ぎの依頼を受けたことがあります)
できれば、面相筆のような細めの筆を一緒に購入しておくことをオススメします。
そして二つ目は、「透漆」を使っているという点です。
「透漆」とは「生漆」から水分量を減らし、粘り気を出したものです。
この「透漆」を使った金継ぎは、市販の金継ぎ本などでも取り上げられることが無いので、頼りになるのは同梱されている手順書のみとなります。(不可能というわけではありませんが…)
そして三つ目、その解説がやや手薄なため、初心者の方が納得のいく作業ができるかといえば、少し疑問が残ります。
といった具合で、クセのあるセットなので少し注意が必要です。
てならい堂 金継ぎキット(¥19,800)

こちらは、てならい堂の会員限定のキットです。
会員限定とはいえ、無料で会員登録できるので誰でも購入できます。
材料も充実しており、「つぐキット」で紹介した参考書も使える内容となっています。
が、価格が高いですね…
「つぐキット」や「urujyuの金継ぎセット」でもほぼ同じ内容(さらには動画解説付き)なので、てならい堂さんで金継ぎを習われる方以外は、敢えてこちらを選ぶ理由はないのかなと思います。
かぶれにくい金継ぎ 金繕いセット A0349-A(¥9,780)
ここからは「簡易金継ぎ」のセットになります。
つまり何かしらの材料が、代用品に置き換わっています。
こちらのセットでは、「金粉」が「マイカ粉」に置き換わっています。
「マイカ粉」とは、雲母という鉱物の粉末で、金粉とは全く別物です。
価格も9,000円近くするので、別のキットを選ぶか、自分で買い揃えた方が安いです。
初心者のための簡単 金継ぎ スターターセット
こちらのセットは、以下のように材料が置き換えられています。
漆→合成うるし、エポキシパテ
金粉→真鍮粉
こちらは簡易金継ぎの良さである「簡単」「安い」が実現されていますが、次に紹介するセットの方が安いので、特別理由がなければ次のセットをオススメします。
金継ぎラウンジ 簡単金継ぎキット スターターキット(¥5,500)

こちらのセットは、以下のように材料が置き換えられています。
漆→接着剤、エポキシパテ、合成樹脂
金粉→真鍮粉
価格も5,500円と安価なので、簡易金継ぎから初めてみたいという方にはピッタリですね。
なお、スタンダードキットは、筆とナイフが少し良いものになっているだけなので、プラス3,000円を支払わずとも、スターターキットで十分かと思います。
「巡-金継ぎ時代-」金継ぎスターターキット(¥22,000)

こちらは最近クラウドファンディングによって作られたキットのようですが、かなり割高です。
材料は一通り揃っていますが、金粉の説明はミスリードで、純銀にメッキをしているタイプの金粉になります。
内容物としては「つぐキット」と大差ないので、「金継ぎキット」として見たときにはあえて選ぶ理由はないかなと思います。(geppakさんの理念に共感して買われるという方もいらっしゃるとは思いますが)
大人のおしゃれ手帖特別編集 簡単! おうちで金継ぎ(¥4,180)
ここからは付録付きの雑誌タイプになります。
金継ぎの道具が本の付録としてついているような雑誌ですね。
言い切ってしまいますが、こういった雑誌タイプのものはオススメできません。
必要な材料がほとんど揃っておらず、ちゃんと直すには自分で様々な道具や材料を買い足す必要があります。
紹介されている金継ぎの手法も簡易的なものなので、それなら金継ぎラウンジなどのキットを購入された方が、結果的に安上がりです。
はじめての金継ぎBOOK(¥4,290)
こちらも同じく雑誌タイプです。
自分で用意する必要のあるものの中に「砥粉」という粉がありますが、漆の専門店などでしか販売されておらず、そういった点も踏まえると、市販の金継ぎキットを購入された方がよいでしょう。
まとめ
長くなってしまいましたが、改めて金継ぎセット選びで大切なことは4つです。
- 伝統的な金継ぎか、簡易的な金継ぎかを見極める
- セット内容が充実しているかを見極める
- 価格に見合った内容なのかを見極める
- 解説が充実しているかを見極める
とはいえ、その見極めが初心者の方には難しいかと思うので、今回こうして記事にまとめてみましたが、少しでも金継ぎビギナーの方の参考になれば嬉しい限りです。
独学で始める場合のオススメ本もこちらで紹介しているので、是非参考にしてみてください。
さて、私はもうヘトヘトなので、この辺りで切り上げます。
もし質問などあればお問合せフォームよりお気軽にご相談ください!
それでは、おやすみなさい。
コメント
こんばんは、はじめまして。
祖父が作ってくれた大事なお茶碗を割ってしまい、金継ぎについて調べていたところ、こちらのサイトに辿り着きました。
ご経験に基づいた丁寧かつわかりやすい内容で大変参考になりました。
この文量を纏められるのはさぞ大変だったかと思いますが、右も左もわからない私にとってはありがたい気持ちでいっぱいです。
コメントありがとうございます!
まさに、右も左もわからないような状況にいる方の手引きとなるような記事になればと思って執筆しておりましたので、少しでもお役に立てたのであれば私としても嬉しい限りです…!
まさに!まさに同じように悩み思考停止→やっぱり欲しい!で一覧にまとめていたところです。
本当に参考になりました。ありがとうございます。tsugukitにしました^_^
初めての金継ぎセット選びで困っていましたが、大変参考になりました!!
私もTUGUKITがいいのかな??と調べていたところでしたが、イチオシされているので自信を持ってポチれます!
ありがとうございます。
はじめまして。金継ぎをはじめたく、色々調べてましたら、こちらへ辿り着きました。まさしく金継ぎどれ買えばいいのだ沼にハマってたのでとってもわかりやすいご説明、助かりました!おすすめを購入したいと思います。
貴重な情報をありがとうございます。
初めまして、
こちらのご説明、全てに納得が行く内容に頭が下がります。
難しい用語を抜きで超初心者の方には当然ながら、中途の私も改めての納得、
有難い限りです。
仕事柄、漆を扱いますが金継ぎと蒔絵に興味があり、我流で仕出しましたが、
結局、最初に戻り鹿田喜造漆店さんの『金継ぎ小箱』からやり直しをしました。
(本は「金継ぎ入門書」を参考)
今は難しくも面白いくらいです♪
ただ、金粉のお値段が毎回上がって居るのが厳しいですね、