金継ぎ

金継ぎ依頼・教室選びで注意すべき4つのこと

金継ぎ

こんにちは、ちまはがです。

今回はタイトルの通り、金継ぎ教室や金継ぎの依頼先を選ぶ際に注意すべき点について解説したいと思います。

今でこそ私も人様の器を金継ぎするようになって多少は良し悪しもわかるようになりましたが、専門的なことは何もわからないような方だと

「結局どの金継ぎ師に頼んだらいいのかわからん…」

と、なってしまうだろうなあと思い、最低限ここだけ確認できたら自分に合った金継ぎ師さんを選びやすくなるだろうというポイントを4つ紹介しようと思います。

技術力

まずは、当たり前ですが金継ぎ師の技術力です。

ある程度は作例写真などを見れば判断できるかと思いますし、多くの場合は金継ぎ師を名乗る以上しっかりした技術をお持ちかと思いますが、引きの写真だけで判断するのはやや危険なので寄りの写真も確認しておくのが吉です。

引きで見ると良さそうでも、拡大するとこのように継ぎ目が雑に仕上げられているようなケースもあります。

遠目の写真ではパッとみ良さそうに見えることもありますが、写真を拡大してしっかり確認しておきましょう。

金継ぎの種類

金継ぎには大きく分けて3つの種類があります。

  1. 天然の漆のみ(本漆と呼ぶこともある)を使った伝統的な金継ぎ
  2. 天然の漆と合成樹脂を使った金継ぎ
  3. 合成の漆(新うるし)や合成樹脂などを使用し、天然の漆を使わない金継ぎ

なんかよくわからん…という感じかもしれませんが、手法によって主に「安全性」「完成までの時間」が変わってきます。

(これは余談なので読み飛ばしてもらって良いのですが…
本来は①の漆のみを使う場合のみを「金継ぎ」と呼んでいますが、最近は②や③の簡易的な手法も1日で完結するワークショップなどを開けるので「現代風金継ぎ」などの呼び方で流行っています。個人的には伝統的な手法を守り続けることだけが大切だとは思わないので、多くの選択肢があって良いとは思うのですが、健康面での安全性が担保されていない可能性があるという点だけは覚えておいてください。とはいえ教室によっては、本物の漆を使わないけれど食品衛生法に則った塗料を使用するところもあるので一概にはいえませんが…)

それはさておき、それぞれどんな特徴があるのか簡単に説明しますね。

1.天然の漆のみを使った金継ぎ

こちらは最も伝統的な手法で、天然の漆のみを使用する方法です。

メリット
  • 食器などでも人体への悪影響を気にせず使える
デメリット
  • 時間がかかる(1〜2ヶ月)
  • 体質によっては漆が肌に付着してかぶれる場合がある

2.漆と合成樹脂を使った金継ぎ

こちらは、接着や欠けの工程を合成樹脂で行い、後の工程で漆を使う方法です。

メリット
  • 合成樹脂を天然の漆でコーティングするので、合成うるしなどを使うよりは安全性が高い。
  • 伝統的な手法に比べて格段に作業手順・時間が減る(1日でできる)
デメリット
  • 体質によっては漆が肌に付着してかぶれる場合がある
  • 漆でのコーティングが甘いと、食器として使用するにあたって「100%安全」とは言い切れなくなる。

3.合成の漆(新うるし)や接着剤を使った金継ぎ

こちらは名前こそ「新うるし」となっていますが、漆は含まれておらず、全く別物の塗料となります。

メリット
  • 伝統的な手法に比べて格段に作業手順・時間が減る(1日でできる)
  • 漆でかぶれる危険性がない
デメリット
  • 口に触れる食器などの場合、多くは塗料の安全性を担保できないため不適合。

使用される金粉の種類

金継ぎといっても、金粉だけでなく銀粉や真鍮粉を使う場合もあり、色々種類があります。
また金粉と謳っているけど実は純金ではなかった、なんてケースもあるのでよく確認しましょう。

  • 金粉
  • 銀粉
  • 真鍮粉
  • 金箔

金粉

金継ぎなので、金粉を使う。
当たり前ですが、実は当たり前と思っていると痛い目を見るかもしれません。

というのも、「金粉」と表記されていても「純金」を使っていない場合があるためです。

例えば「金粉(真鍮粉)」「金粉(非金属)」などといった表記がされていないか確認しましょう。

「真鍮」については後で詳しく解説しますが、銅と亜鉛の合金のことで、金とは全く別の金属になります。
また、以下のような非金属の金粉は、純金の金粉以上に光沢が強く不自然に感じられる場合もあります。

とはいえ、そのような仕上がりを望んでいるのであれば、それはそれで全く問題ありません。
安価な金継ぎ体験などでは、特に注意した方が良いかなと思います。

銀粉

銀粉は金粉で仕上げるよりも安価に仕上げられるため、依頼する際もやや価格が下がる傾向にあります。
金粉とはまた違った表情で素敵ですね。

ちなみに、銀は空気中の微量な硫化水素と反応して硫化銀となり、やや色がくすんでいきます。
経年でいぶし銀のように変化する様を楽しめるのも魅力の一つです。

銀粉も「銀粉(アルミ粉)」や「銀粉(錫粉)」など、と違う素材で代替される場合があるので、金粉と同様にしっかりと純銀かどうか確認するようにしましょう。

真鍮粉

先ほども説明した通り、銅と亜鉛の合金を「真鍮」と呼んでいます。
銅の成分が多いため、10円玉のように次第に錆びていきます。(それも経年変化として楽しめるものですけどね!)

ですが、真鍮そのものは黄金色で見た目が金に似ているため、金継ぎ体験や初心者の金継ぎなどでよく使われます。
金継ぎ師が器の修理として受け付ける際に真鍮を使うケースはあまり見受けられませんが…。

ちなみに、勘違いされやすいですが、真鍮はカトラリーなどでも使われる素材であり人体に有毒な素材ではありません。
昔は銅のサビである「緑青」が有害であると考えられていたため、銅を含む真鍮がサビてしまった場合も有害であるとみなされていました。
が、厚生労働省が1984年に「緑青は無害である」と正式に発表している為、金継ぎで食器に使っても全く問題ありません。

金箔

あまりメジャーではありませんが、金箔を使って金継ぎをするケースもあります。

金粉との違いは、光沢と線の太さです。
どうしても面で貼っていくことになるので、線が太くないと金箔を貼るのが難しくなります。
また、面であるということはより光を反射するということなので、光沢も強くなります。

ガラスなどは対象外の場合も

そもそも、物によっては金継ぎに向いていない場合があります。

  • 土鍋のような直接火にかけるもの
  • その他、高温の状態となる可能性のある器など

漆の特性上、およそ90度以上となると変形などを起こす可能性があり、接着が剥がれてしまったりすることがあります。

また、ガラスは漆との相性が悪く、しっかりと接着させることが難しくなります。
そのため、ガラスの金継ぎを受け付けていない金継ぎ師さんも多くいらっしゃいますので、事前に確認しておくようにしましょう。

まとめ:大切な器を任せられる金継ぎ師さんを選ぼう

これまでの話をまとめるとこんな感じです。

まとめ
  • 金継ぎ師さんの作例写真をしっかり見て技術力を確かめる
  • 伝統的な手法なのか、簡易的な手法なのかを確認する
  • 金粉は本物を使っているかどうかを確認する
  • そもそも金継ぎできる器かどうかを確認する

他にも細かい部分で確認したい箇所はあるのですが、とりあえずはざっとこれだけ確認できれば、自分にあった金継ぎ師さんを選べるかと思います!

繰り返しになりますが、本物の金粉を使ってないから良くないとか、伝統的な手法じゃないから悪いとか、そういったことを伝えるつもりは一切ありません。

純金を使うとそれだけ費用もかさみますし、初心者の方がお試しで金継ぎをする分には真鍮を使ったりと、そういった選択肢があることは「金継ぎ」に対する間口が広がる素敵なことだと思っています。

ただ、初心者の方が誤解しそうな説明だなあと個人的に感じるものが散見されたので、何か手引きになるようなページを作れたらと思い、この記事を書いた次第です。

これから金継ぎを始めたい、もしくは金継ぎを依頼して器を直したいという方にとって、少しでも参考になることがあれば幸いです。

自分で金継ぎセットを購入して金継ぎを始めたい!という方は、次の記事も参考にしてみてください。


それでは。

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